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【加科思薬業】欧州で膵臓がん治療薬のオーファンドラッグ指定を取得

2024年10月21日、加科思薬業(1167.HK)は、同社が開発したKRAS G12C阻害剤であるglecirasibが、欧州薬品庁(EMA)から膵臓がんに対するオーファンドラッグ指定を受けたと発表しました。この薬剤は、KRAS G12C変異を有する進行性膵臓がんに効果が期待されており、欧州での治療選択肢拡大が見込まれています。

目次

膵臓がんの現状と治療の必要性

膵臓がんは、非常に進行が速く悪性度が高いがんで、現在有効な標準治療が限られています。特に進行期膵臓がんの5年生存率はわずか3.1%であり、新しい治療法の開発が急務とされています。

臨床試験と効果

glecirasibは、現在中国国内30か所の施設で登録臨床試験(NCT06008288)が進行中であり、KRAS G12C変異を持つ膵臓がんおよび他の固形腫瘍を対象にした治療効果が評価されています。

2024年の米国臨床腫瘍学会胃腸がんシンポジウム(2024 ASCO GI)では、2次治療以降のKRAS G12C変異膵臓がん患者に対する試験結果が報告されました。

  • 客観的奏効率(ORR):41.9%(13/31)
  • 疾病制御率(DCR):93.5%(29/31)
  • 無増悪生存期間中央値(mPFS):5.6か月
  • 全生存期間中央値(mOS):10.7か月

これらの結果は、現行の治療法に比べて優れた効果を示しており、特に治療選択肢の少ない進行性膵臓がん患者にとって、大きな希望となる可能性があります。

グローバルな進展

glecirasibは、既に米国でオーファンドラッグ指定を受け、中国では突破性療法として認定されています。今回の欧州でのオーファンドラッグ指定は、加科思が膵臓がん治療における国際的なリーダーシップをさらに強固にするものです。

今後の展望

glecirasibは、KRAS G12C変異を有する進行性膵臓がんに対する新たな治療選択肢として、今後さらに臨床データの蓄積が期待されており、他の固形腫瘍に対しても効果があることが確認され次第、適応症が拡大する可能性があります。加科思は今後も、中国、米国、欧州などでさらなる臨床試験を推進し、革新的な治療法の提供に努めていく予定です。

参考情報

https://www.jacobiopharma.com/cn/news/glecirasib_PDAC_EMA_ODD

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