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【ノボ・ノルディスク】Alhemo、血友病A/Bインヒビター患者への初の1日1回の皮下注射予防治療薬として欧州承認推奨

Novo Nordiskは2024年10月18日、Alhemo(コンシズマブ)が欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)から、血友病AまたはBのインヒビターを持つ12歳以上の患者向けに、初の1日1回の皮下注射型予防治療薬として承認を推奨する肯定的な意見を受けたことを発表しました。

血友病は血液の凝固を妨げるまれな遺伝性疾患で、通常は欠損した凝固因子を補充する点滴治療が行われますが、一部の患者では体が免疫反応としてインヒビターを生成し、治療が効果を発揮しなくなることがあります。特に、血友病Aの重症患者の約30%、血友病Bの重症患者の5〜10%がインヒビターを発症し、治療が難しくなることが知られています。

目次

Alhemoの特徴と作用機序

Alhemoは、抗組織因子経路阻害剤(TFPI)モノクローナル抗体。TFPIというタンパク質をブロックすることで、血液凝固に重要なトロンビンの産生を促進します。

これにより、従来の凝固因子が不足していても血栓が形成され、出血を防ぐことが可能です。特に、インヒビターを持つ患者においても血液凝固が促進されるため、治療の選択肢が限られていた患者にとって大きな革新となります。

第3相explorer7試験の結果

CHMPの肯定的な意見は、第3相explorer7試験のデータに基づいています。この試験では、血友病AまたはBのインヒビターを持つ133人の患者を対象に、Alhemoの予防効果と安全性が評価されました。

試験では、Alhemoの予防治療を受けた群で、年換算出血率(ABR)が1.7であり、治療を受けていない群の11.8と比較して86%の減少が見られました。また、Alhemo®を投与された患者の中央値ABRは0であり、予防治療を受けていない群の9.8に対し大幅な改善が確認されました。安全性と忍容性についても、予測された範囲内で問題は見られませんでした。

患者へのメリット


Alhemoは、持ち運びが簡単なペン型の事前充填注射器で提供され、室温で4週間保存可能です。このため、患者は簡便に皮下注射でき、従来の点滴治療よりも生活の質が向上することが期待されています。特に、血友病Bのインヒビター患者にとっては、限られた治療選択肢がある中で、日常生活への自信を高める画期的な治療法となる可能性があります。

Novo Nordiskは、今後2ヶ月以内に欧州委員会からの最終承認を見込んでいます。

参考情報

https://www.novonordisk.com/news-and-media/news-and-ir-materials/news-details.html?id=171479

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