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イーライ・リリーのミリキズマブ、クローン病において組織学的治癒でウステキヌマブに優位性を示す

イーライ・リリー社は、クローン病患者を対象にした第3相試験「VIVID-1」で、ミリキズマブがウステキヌマブより優れた組織学的反応を示したと発表しました。

この試験では、炎症を組織レベルで評価し、より深い治癒を確認しています。

ちなみにミリキズマブの製品名はオンボー、ウステキヌマブの製品名はステラーラ(ヤンセンファーマ)です。

目次

ミリキズマブの作用機序

ミリキズマブは、IL-23のp19サブユニットに結合し、この経路の過剰活性を抑えることで腸管の炎症を抑制します。

試験デザイン

VIVID-1は、ランダム化、二重盲検、プラセボおよびウステキヌマブ対照の第3相試験で、中等度から重度の活動性クローン病患者を対象に実施されました。

患者は、ミリキズマブ900 mgを12週目まで静脈投与し、その後300 mgを52週まで4週間ごとに皮下投与されました。評価項目には、組織学的反応と内視鏡・組織学的反応が含まれます。

結果

試験では、52週目にミリキズマブを投与された患者で58.2%が組織学的反応を達成し、ウステキヌマブ群の48.8%に対して有意に高い結果となりました(p=0.0075)。

特に、バイオロジック治療に失敗した患者においても、ミリキズマブ群の56.5%が組織学的反応を示し、ウステキヌマブ群の41.3%を大きく上回る結果でした(p=0.0064)。

さらに、内視鏡的および組織学的反応を組み合わせた「エンドスコープ・組織学的反応」では、ミリキズマブ群が39.6%、ウステキヌマブ群が27.8%であり、こちらもミリキズマブが有意に優れていました(p=0.024)。

  • 組織学的反応率(全患者):ミリキズマブ 58.2% vs. ウステキヌマブ 48.8%(p=0.0075)
  • 組織学的反応率(バイオロジック治療失敗歴がある患者):ミリキズマブ 56.5% vs. ウステキヌマブ 41.3%(p=0.0064)
  • エンドスコープ・組織学的反応率:ミリキズマブ 39.6% vs. ウステキヌマブ 27.8%(p=0.024)

安全性プロファイル

ミリキズマブの安全性は、既存の潰瘍性大腸炎治療における安全性プロファイルと一致しており、重篤な有害事象はプラセボ群より少ない結果でした。最も頻繁に報告された副作用は、COVID-19、貧血、関節痛、頭痛、上気道感染症、鼻咽頭炎、注射部位反応などでした。

参考情報

https://investor.lilly.com/news-releases/news-release-details/lilly-reports-one-year-histologic-outcomes-phase-3-study

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