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Dupixent、中国と米国で相次ぎCOPD治療薬として承認

SanofiとRegeneronが共同開発した生物学的製剤Dupixent(デュピルマブ)が、米国および中国で慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬として相次ぎ承認されました。

適応は『好酸球増加性のコントロール不良の慢性閉塞性肺疾患(COPD)の成人に対する追加維持療法』

目次

米国における承認の背景と試験結果

米国食品医薬品局(FDA)の承認は、BOREASおよびNOTUSという2つの大規模第3相試験の結果に基づいています。試験では、Dupixentが標準治療に追加投与された患者において、以下の結果が確認されました。

  • COPD悪化率の抑制:BOREAS試験で30%、NOTUS試験で34%の減少を確認
  • 肺機能の改善:12週目にFEV1(1秒量)がそれぞれ74mL、68mL改善(プラセボ群と比較)
  • 健康関連QOLの向上:生活の質を測定するSGRQスコアの改善率は、BOREAS試験で51%、NOTUS試験で47%と、いずれもプラセボ群より有意に高い結果を示しました。

FDAの承認を受けて、SanofiのCEOであるポール・ハドソン氏は「Dupixentは、長年新しい治療オプションを待ち望んでいたCOPD患者にとって、呼吸機能改善と悪化の抑制に寄与する画期的な治療薬となる」と述べ、治療の新しい標準となることを期待しています。

中国での承認とその意義

中国国家薬品監督管理局(NMPA)も同様に、Dupixentを好酸球性COPDを対象とした治療薬として承認しました。中国ではCOPDが最も蔓延する慢性呼吸器疾患の一つであり、約30%の患者が従来の吸入療法でも十分に症状を抑えられないことが課題とされています。

今回の承認は、政府が進める「健康中国2030」計画の一環として、慢性呼吸器疾患の管理と生活の質向上を目指す重要なステップとなります。

中国COPD専門医会の姜健教授は「Dupixentは従来の治療では不十分だった患者に対し、新たな治療アプローチを提供する」と評価し、中国国内での治療の選択肢が広がることへの期待を述べました。

安全性と今後の展望

Dupixentの安全性プロファイルは、これまでに承認された適応症でのデータと一貫しており、主な副作用には、注射部位反応、結膜炎、関節痛、鼻咽頭炎などが含まれています。

また、BOREASおよびNOTUS試験の結果は、医学誌「New England Journal of Medicine」に掲載されており、その有効性と安全性が科学的に裏付けられています。

参考情報

https://www.sanofi.com/en/media-room/press-releases/2024/2024-09-27-11-00-00-2954416

https://www.sanofi.com/en/media-room/press-releases/2024/2024-09-27-13-35-00-2954551

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