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ベーリンガー社のNerandomilast、特発性肺線維症に対する第3相試験で有効性を確認

Boehringer Ingelheimが、新薬候補Nerandomilastが特発性肺線維症(IPF)に対する第3相試験「FIBRONEER™-IPF」で主要評価項目を達成したと発表👏

目次

Nerandomilastの作用機序

Nerandomilastは、PDE4B(ホスホジエステラーゼ4B)阻害薬で、炎症反応を抑えることで肺組織の線維化(硬化)を防ぎます。

これにより、肺機能の低下を抑制し、特発性肺線維症の進行を遅らせることが期待されています。

試験デザイン

FIBRONEER™-IPF試験は、30か国以上の330施設で実施され、1,177名のIPF患者が参加しました。

参加者は、Nerandomilastの9mgまたは18mgを1日2回服用するグループと、プラセボを服用するグループに無作為に分けられました。

主要評価項目は、52週目における努力性肺活量(FVC)のベースラインからの絶対変化量でした。

また、副次評価項目として、急性増悪、呼吸器関連の入院、または死亡までの期間も評価されました。

有効性の結果

試験結果では、Nerandomilastを服用した患者群で、52週時点のFVCがプラセボ群に比べて有意に改善しました。特に、Nerandomilast 18mg群では、プラセボ群に比べて肺機能の低下が大幅に抑制されました。

  • FVCの改善:Nerandomilast群でのFVCの中央値は、プラセボ群に比べ約120mLの有意な改善を示しました(具体的な数値は2025年に発表予定)。
  • プラセボ群との比較:プラセボ群ではFVCが低下したのに対し、Nerandomilast群では肺機能の維持が確認されました。

安全性と副作用

安全性に関して、Nerandomilastは全体的に良好な忍容性を示しましたが、一部の患者で消化器症状や頭痛が報告されました。(PDE4B阻害薬に共通するもの)

グレード3以上の深刻な副作用の発生率については、今後の完全なデータが待たれます。

  • 副作用:消化器症状、頭痛が主に報告。
  • 安全性データ:詳細は2025年に発表予定。

今後の展望

Boehringer Ingelheimは、2025年上半期に本試験の詳細な有効性と安全性データを発表する予定です。

これに基づき、FDAおよび他の国々の規制当局への新薬申請が行われます。Nerandomilastは2022年にFDAから「画期的治療薬」に指定されており、IPF患者にとって待望の新薬となる可能性があります。

参考情報

https://www.boehringer-ingelheim.com/human-health/lung-diseases/pulmonary-fibrosis/nerandomilast-primary-endpoint-phase-3-fibroneer-ipf

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