FDA、非小細胞肺がん肺がん治療薬としてTT125-802にファストトラック指定

目次

ポイント

  • TOLREMO社のTT125-802がFDAより2つのFast Track指定を取得
  • 対象は治療歴のあるEGFR変異型とKRAS-G12C変異型の進行・転移性非小細胞肺がん
  • TT125-802はCBP/p300を阻害し、薬剤耐性の出現を防ぐ新しい作用機序
  • 初期臨床試験で有望な単剤効果と良好な安全性(血小板減少なし)を確認

詳細

TOLREMO社は、同社の新薬候補TT125-802がFDAから2つのFast Track指定を受けたと発表しました。対象は、既存のEGFR阻害薬やKRAS G12C阻害薬で治療後に病状が進行した非小細胞肺がん(NSCLC)患者です。

TT125-802は経口投与できる分子標的薬で、がん細胞の生存や薬剤耐性に関わる「CBP/p300」というタンパク質を阻害します。従来の標的薬とは別の経路を抑えることで、腫瘍の増殖や治療回避を防ぐ狙いがあります。

ASCO 2025で発表された第1相試験では、固形がんに対する単剤での効果が示され、副作用として問題となりやすい血小板減少も認められませんでした。

肺がんは米国でがん死の約5人に1人を占め、そのうちの約87%がNSCLCです。さらに3割はEGFR変異またはKRAS-G12C変異を有するため、新たな治療選択肢への期待が高まります。

Fast Track指定により、FDAとの密な協議や優先審査の可能性が広がり、臨床現場への早期導入が目指されます。

薬剤耐性を「出てから抑える」のでなく「出る前に抑える」戦略として、TT125-802は新しい治療基盤になる可能性があります。

参考情報

TOLREMO therapeutics press release (2025年8月28日)

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