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FDA、肝疾患MASHにWegovyを初承認

目次

ポイント

  1. Wegovy(semaglutide)がMASHに対してFDA初承認
  2. 中間解析でMASH消失率63%と有効性を確認
  3. Accelerated Approvalにより早期承認、今後は長期データで検証予定

詳細

FDAは、肥満症治療薬として知られるWegovy(semaglutide)を、肝疾患「MASH(代謝関連脂肪性肝炎)」の治療薬として承認しました。対象は中等度から進行した線維化(肝臓に生じる硬い瘢痕組織)のある成人患者です。

MASHは、脂肪が肝臓にたまって炎症や線維化を起こす病気で、進行すると肝硬変や肝がん、移植、さらには死亡に至る可能性があります。米国では約1,490万人(成人の約6%)が罹患しており、増加傾向にあります。

Wegovyは体重減少を促す作用に加え、肝臓の炎症や線維化を改善する可能性があると考えられています。今回は「早期承認制度(Accelerated Approval)」を利用した承認で、今後は長期試験で生存や移植回避など臨床的な効果が確認される予定です。

試験結果(72週時点 中間解析)

  • MASHが消失し線維化悪化なし
     Wegovy群 63% vs プラセボ群 34%
  • 線維化が改善しMASH悪化なし
     Wegovy群 37% vs プラセボ群 22%

副作用として、吐き気・下痢・便秘・腹痛などが多く報告されています。また、甲状腺髄様がんの既往や家族歴がある人などは使用できません。

肥満治療薬として知られてきたWegovyが、深刻な肝疾患MASHに対する初の治療薬として承認されたことは、大きな転換点となりそうです。

参考情報

FDA Approves Treatment for Serious Liver Disease Known as ‘MASH’

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