目次
ポイント
- Sanofiの遺伝子治療薬候補SAR446597がFDAのFast Track指定を獲得
- 1回の硝子体内投与で、補体経路の「古典経路(C1s)」と「代替経路(factor Bb)」を同時に抑制
- 治療負担の大幅軽減と長期効果が期待される
- 近く第1/2相試験を開始予定
詳細
Sanofiは、加齢黄斑変性の進行型である「地図状萎縮(GA)」に対する新しい遺伝子治療薬SAR446597が、FDAから「Fast Track指定」を受けたと発表しました。
GAは網膜の細胞が徐々に失われ、進行すると不可逆的な視力低下を招く疾患です。米国では約100万人、世界では500万人以上が影響を受けています。
SAR446597は、2種類の抗体断片をコードする遺伝子を眼内に一度だけ投与し、補体カスケードの2つの経路を同時に抑える仕組み。これにより、病気の進行を抑えると同時に、従来のような頻回注射を不要にする可能性があります。
Sanofiは近く安全性・有効性を確認する第1/2相試験を開始し、眼科領域での新しい治療オプション開発を加速させる方針です。