目次
ポイント
- FDAがStenoparibにFast Track指定を付与
- PARPとWNT経路を同時に抑える新しい作用機序
- 再発・難治性の卵巣がんを対象に第2相試験進行中
詳細
米Allarity Therapeuticsは、卵巣がん治療薬候補StenoparibがFDAより「Fast Track指定」を受けたと発表しました。この制度は、重篤な疾患に対し新しい治療選択肢となる可能性がある薬を優先的に審査し、承認を早める仕組みです。
Stenoparibは、DNA修復を阻害する「PARP阻害」に加え、がんの増殖に関わる「WNTシグナル経路」も同時に抑えるという特徴を持っています。従来薬と異なる二重の働きで、より強力な抗腫瘍効果が期待されています。
現在、白金製剤に効きにくい再発卵巣がんを対象に、第2相試験が進行中です。すでに22か月以上効果が持続している患者も報告されており、今後の結果が注目されています。
また、同社独自の「DRP診断」を組み合わせ、薬の効果が見込める患者を選別して投与する個別化医療の開発も進められています。
卵巣がんは進行すると治療が難しくなるため、新しい作用機序を持つStenoparibの登場は、大きな前進となる可能性があります。