目次
ポイント
- FDAがDYNE-251をデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD、エクソン51スキッピング適応)で「画期的治療薬」に指定
- DELIVER試験で18か月持続する運動機能改善を確認
- 近年注目の次世代技術:筋肉内でほぼ完全長のジストロフィン産生を誘導
- 2025年末に主要データ公開予定、2026年前半に早期承認申請へ
詳細
米Dyne Therapeuticsは、開発中のDYNE-251がFDAより「Breakthrough Therapy Designation(画期的治療薬指定)」を受けたと発表しました。対象は、遺伝子変異がエクソン51スキッピングに適応するDMD患者です。
DYNE-251は、特殊な核酸医薬(PMO)に抗体断片を結合させた新しいタイプの治療薬で、トランスフェリン受容体をターゲットとしたFabをガイド役にすることで筋肉や中枢神経に効率よく届けることが可能になります。結果、通常欠損しているジストロフィンを「ほぼ完全な形」で作り出すことを狙っています。
これまでの治験では、歩行速度や立ち上がる時間などの改善が18か月以上持続しており、既存薬より大きな効果が期待されています。
現在、グローバル第1/2相試験「DELIVER」が進行中で、拡大コホート(32人)がすでに登録完了。主要評価項目は「6か月時点のジストロフィン量増加」です。
FDA指定により、優先審査や審査期間短縮(通常12か月→8か月)が可能となり、開発加速が期待されます。