目次
ポイント
- Rinatabart sesutecan(Rina-S)がFDAのブレイクスルーセラピー指定」を取得
- 対象はプラチナ製剤+PD-(L)1治療後に進行した子宮体がん患者
- 根拠は第1/2相RAINFOL-01試験のB2コホート成績
- 今後は第3相試験で有効性を本格検証予定
詳細
デンマークのGenmab社は、Rina-S(rinatabart sesutecan)が進行性子宮体がんを対象にFDAから「ブレイクスルーセラピー」を受けたと発表しました。
Rina-Sは「抗体薬物複合体(ADC)」で、がん細胞に多く出る葉酸受容体(FRα)を狙い撃ちし、トポイソメラーゼ阻害薬(TOPO1阻害薬)を送り込んで細胞死を起こします。
今回の指定は、RAINFOL-01試験の結果に基づくものです。同試験では、免疫治療やプラチナ製剤で効果がなくなった進行子宮体がん患者64人にRina-S単剤を投与。重症患者群でも抗腫瘍効果が示され、学会発表でも注目されました。
子宮体がんは世界的に増加しており、特に再発や進行例では有効な治療が乏しい状況です。Rina-Sは、こうした患者に新たな選択肢をもたらす可能性があります。
今後の展望
Rina-Sは現在進行中の第1/2相試験に加え、子宮体がんを対象とした第3相試験でも検証予定。さらに卵巣がんなど他の腫瘍にも開発が広がっています。
子宮体がん治療においてFRαを標的とした新薬はまだなく、Rina-Sが承認されれば治療体系に大きな変化をもたらす可能性があります。