目次
ポイント
- Innovent社のIBI363(PD-1/IL-2α-bias抗体)が米国FDAでIND承認
- 対象は免疫療法に抵抗性を示す扁平上皮型非小細胞肺がん
- 第3相試験は世界600人規模、一次評価項目は生存期間
- IBI363は「二重免疫活性化」でがんを攻める新機序
詳細
Innovent Biologicsが、独自開発した新規抗体医薬IBI363について、米国FDAから第3相国際共同試験(MarsLight-11)の開始許可を得たと発表しました。
対象は、白金製剤と免疫チェックポイント阻害薬の治療後に進行した扁平上皮型非小細胞肺がんの患者です。
IBI363は「PD-1阻害」と「IL-2経路の活性化」を同時に行う初の二重作用型抗体です。
特にIL-2部分は毒性を抑えるよう改良されており、PD-1を発現するがん特異的なT細胞に集中的に作用する設計になっています。
第3相試験では、IBI363(3mg/kg単剤)と従来の化学療法ドセタキセルを比較し、全生存期間の改善効果を検証します。
背景と期待
- 既存の免疫療法に反応しない患者では選択肢が乏しいのが現状
- 初期試験では腫瘍縮小や病勢安定を示し、持続的な抗腫瘍効果が期待される
- 肺がんだけでなく、メラノーマや大腸がんなど「免疫が効きにくいがん」にも有望新機序の二重免疫活性化抗体として、IBI363が免疫療法に抵抗を示す肺がん患者に新しい治療の道を拓く可能性があります。