目次
ポイント
- Pemvidutideがアルコール依存症(AUD)で唯一のFast Track指定を獲得
- 現在、フェーズ2試験「RECLAIM」が進行中(約100人を対象)
- 主要評価項目は「大量飲酒日の減少」
- GLP-1作用で飲酒欲求を抑制、グルカゴン作用で肝脂肪や炎症を改善する仕組み
詳細
Altimmune社は、開発中のペプチド薬PemvidutideがFDAよりアルコール依存症(AUD)の治療薬として「迅速審査指定(Fast Track)」を受けたと発表しました。
現在承認されている薬はわずか3種類で効果も限定的なため、新しい治療薬の登場が期待されています。
アルコール依存症は米国だけで約2,800万人が罹患し、そのうち約1,200万人が中等度~重度と推定されています。しかし薬物治療を受けているのはわずか2%にとどまり、大きな治療ギャップがあります。
Pemvidutideは週1回投与の「GLP-1/グルカゴン二重作動薬」です。
- GLP-1は食欲や飲酒欲求を抑制
- グルカゴンは肝脂肪の分解や炎症改善を促進
この二重作用により、飲酒量の減少と肝機能の改善が同時に期待されています。前臨床試験では飲酒量の大幅な低下が確認されました。
現在進行中のRECLAIM試験では、週1回2.4mgを24週間投与し、大量飲酒日の減少やアルコール摂取量の血液マーカー(PEth)の改善を評価します。
アルコール関連死は肝疾患死の約半数を占め、深刻な社会的課題です。Pemvidutideが新しい治療の選択肢になるか、今後の試験結果に注目ですね。
参考情報
Altimmune Announces FDA Fast Track Designation for Pemvidutide in Alcohol Use Disorder (AUD)