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バビースモ(ファリシマブ)が網膜色素線条の治療薬として承認
中外製薬のバビースモ(一般名:ファリシマブ)が、難治性の希少眼疾患「脈絡膜新生血管を伴う網膜色素線条」に対する日本初の治療薬として承認されました。
これまで国内では、この疾患に対する治療薬は存在せず、患者や医療関係者にとって大きな課題となっていました。
網膜色素線条とは?
網膜色素線条は、網膜に発生する異常な新生血管によって視力が著しく低下する難治性の疾患です。治療法が確立していなかったため、患者にとって重大な負担となっていました。
バビースモ(ファリシマブ)の特徴と効果
バビースモは、VEGF-AとAng-2という2つの因子を同時にブロックするバイスペシフィック抗体製剤です。この作用により血管の異常増殖や漏れを抑え、視力低下を防ぐ効果が期待されています。
臨床試験(NIHONBASHI試験)での結果
バビースモの承認根拠となった日本国内の臨床試験(NIHONBASHI試験)の結果は以下の通りです。
- 対象者:日本人患者24人
- 投与12週後の視力改善:平均+5.8文字(90%CI: 3.0〜8.5)
- 網膜の中心厚の改善:平均−106.4µm(90%CI: −123.4〜−89.4)
- 安全性:重篤な副作用との因果関係は確認されず、良好
今後の展望と患者への期待
バビースモはすでに加齢黄斑変性など他の眼疾患でも使用されており、今回の適応拡大により、さらなる患者への治療の選択肢が広がります。これにより、治療が難しかった患者にとって新たな希望となりそうです。