Arvinas社が開発中の経口PROTAC薬「ARV-102」が、初のヒト試験で脳内への移行と標的タンパク質LRRK2の分解効果を示しました。LRRK2はパーキンソン病や進行性核上性麻痺などに関わるとされるタンパク質です。
今回の第1相試験は健康成人を対象に実施され、脳脊髄液や血液中のLRRK2の減少が確認されました。副作用は軽微で、安全性も良好でした。
目次
主な試験結果
- 脳脊髄液中LRRK2の50%以上減少(単回60mg以上、反復20mg以上で確認)
- 末梢血中LRRK2の90%以上減少
- 脳内への薬剤到達を確認(用量依存的)
- 主な副作用:頭痛(17.1%)、疲労感(8.6%)
- 重篤な副作用は報告なし
この結果を受け、現在はパーキンソン病患者を対象とした第1相試験が進行中です。
LRRK2異常による神経変性疾患の新たな治療選択肢として期待されますね。