Spinogenix社は、脆弱X症候群(Fragile X Syndrome:FXS)向けに開発中の新薬SPG601が、FDAよりFast Track指定を受けたと発表しました。
臨床試験や承認審査の迅速化が期待されますね。
目次
脆弱X症候群(FXS)とは
FXSは、知的障害や自閉症の主な原因となる遺伝性疾患で、全世界で約4,000~8,000人に1人の割合で発症します。
患者は知的障害に加え、不安、注意欠陥、多動、感覚過敏など多岐にわたる症状に悩まされることが多く、家族の介護負担や経済的負担が深刻な問題となっています。しかし、現時点でFXSの治療薬は承認されていません。
SPG601の作用機序
SPG601は、小分子BKチャネル活性化薬です。BKチャネル(大電導性カルシウム依存性カリウムチャネル)を活性化することで、脳内のシナプス機能を正常化し、FXSの中核的な症状を改善することを目指しています。本メカニズムは、従来なかった新しいアプローチとされています。
開発状況と今後の展開
- 2024年:FDAから希少疾病用医薬品指定を取得
- 2025年第1四半期:成人男性を対象とした第2相試験(無作為化二重盲検クロスオーバー試験)の結果公表予定
SpinogenixのCEOであるStella Sarraf氏は、「このFast Track指定により、治療法のない脆弱X症候群の患者にSPG601を早期に提供できる可能性が高まった」と述べています。
同社は引き続き臨床試験を進め、新たな治療選択肢を提供することを目指しています。