Vir Biotechnologyは、慢性D型肝炎(CHD)の治療薬候補であるTobevibartとElebsiranが、FDAのブレークスルーセラピー指定およびEMAのPRIME指定を取得したと発表しました。この指定は、未解決の医療ニーズが高い疾患に対する革新的な治療法の迅速な開発と審査を促進するものです。
目次
注目ポイント
CHDの概要
CHDは、D型肝炎ウイルス(HDV)が引き起こす重度の慢性肝疾患で、肝硬変や肝不全、肝がんのリスクを著しく高めます。既存の治療選択肢が限られた疾患です。
Phase 2 SOLSTICE試験
TobevibartとElebsiranの組み合わせが、D型肝炎ウイルスを迅速かつ深く抑制し、ウイルス量を検出不能レベルまで低下させる可能性があるとされます。
主要評価項目としてウイルス抑制率やALT値の正常化、安全性を評価しました。 2025年上半期に、これら治療薬を対象としたPhase 3 ECLIPSE試験が開始予定です。
薬剤の作用機序
- Tobevibart:D型およびB型肝炎ウイルスの肝細胞への侵入を阻害し、血中ウイルス粒子を減少させる中和抗体。
- Elebsiran:ウイルスRNAを分解し、ウイルス抗原の生成を抑制する小干渉RNA(siRNA)。
今回の指定は、CHD患者に向けた新たな治療選択肢の早期提供への道を拓くものであり、さらなる臨床試験の進展が期待されます。