Mesoblast社の再生医療製品REVASCOR(rexlemestrocel-L)が、重篤な先天性心疾患「左心低形成症候群」(HLHS)治療薬としてFDAから再生医療先端治療(RMAT)指定を取得しました。
目次
主なポイント
- FDA指定の意義:RMAT指定により、治療開発と承認プロセスが加速。REVASCORはすでに希少小児疾患(RPDD)と希少疾病用医薬品(ODD)の指定も取得済み。
- 臨床試験の成果:HLHS患児19名を対象にした臨床試験で、左心室の容積が有意に改善(収縮期:p=0.009、拡張期:p=0.020)。これにより、正常な2心室循環を可能にする手術の成功が期待される。
作用機序
REVASCORは免疫選択された間葉系前駆細胞(mesenchymal precursor cells)を使用。以下の多機能メカニズムにより心臓機能を改善
- 血管新生の促進
- 抗線維化作用
- 細胞死(アポトーシス)の抑制
- 免疫調節と炎症抑制
- 血管内皮機能の改善
HLHSの課題
- 新生児心疾患による死亡の25〜40%を占める深刻な疾患で、左心室の成長が治療成功の鍵。
- Mesoblast社のこの革新的な治療法は、HLHS患児の長期的な生存と生活の質向上に貢献する可能性があります。さらなる研究と迅速な承認が期待されています。