Eli Lilly社が、肥満を伴う心不全(HFpEF)患者に対するTirzepatideの有効性を発表しました。結果はNEJMに記載されています。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2410027
今回の第3相SUMMIT試験の結果、心不全イベントリスクを38%低下させ、症状改善や身体的制限の緩和が明らかになりました。
目次
試験結果のポイント
心不全イベントリスクの低下
- 38%低下(HR: 0.62、95% CI: 0.41-0.95、P=0.026)
- 入院リスク56%低減
症状および運動能力の改善
- KCCQスコア改善:Tirzepatide群で24.8ポイント(プラセボ群15.0ポイント)
- 6分間歩行距離:38.2m延長(プラセボ群7.9m)
体重および炎症マーカーの変化
- 体重減少:15.7%(プラセボ群2.2%)
- hsCRP(炎症マーカー):43.4%低下(プラセボ群3.5%)
安全性
消化器症状(下痢、吐き気、便秘)が主な副作用で、多くは軽度から中等度。全体の安全性プロファイルは既存データと一貫していました。
今後の展望
現在、FDAおよびEMAへの申請が進められています。
肥満限定とはいえ凄まじい結果…Tirzepatideが心不全ガイドライン記載される日も近いかもしれません!