米国のバイオ医薬企業、Mustang Bio社が、MB-108(HSV-1腫瘍溶解ウイルス)において米食品医薬品局(FDA)より悪性神経膠腫治療のための希少疾病用医薬品指定を受けました。
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MB-108とその効果
MB-108は、再発性膠芽腫(GBM)や高悪性度星状細胞腫の患者において腫瘍細胞を標的とする腫瘍溶解ウイルスです。これまでの臨床試験では安全性が確認されており、併用療法としてMB-101(IL13Rα2標的CAR-T細胞療法)と組み合わせることで治療効果の向上が期待されています。
この組み合わせは、腫瘍の微小環境を変化させ、治療抵抗性の「Cold Tumor」を免疫細胞が浸潤した「Hot tumor」に変えることで、MB-101が腫瘍組織全体に浸透し、活性化されるのを助けます。
臨床試験と将来の展望
現在、MB-101とMB-108の単独および併用療法の第1相臨床試験は、City of Hopeやアラバマ大学バーミングハム校などで進行中です。Mustang Bioは、さらなる臨床試験の進展とともにMB-101にも希少疾病用医薬品指定を求める方針です。