AskBio(Bayer傘下)の遺伝子治療薬AB-1003(LION-101)が、FDAから希少小児疾患指定とオーファンドラッグ指定を取得しました。
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AB-1003が対象とするLGMD2I/R9とは?
LGMD2I/R9は、FKRP遺伝子の変異によって引き起こされる筋力低下と筋肉の萎縮を伴う希少疾患です。
特に四肢の筋肉が影響を受け、進行すると歩行困難となり、心肺機能の低下も見られることがあります。米国でこの疾患に苦しむ患者数は5,000人未満とされ、現在治療法はなく、症状の管理が主な対応です。
AB-1003の開発と期待される効果
AB-1003は遺伝子治療として注目されており、FDA指定により臨床試験が加速することが期待されています。第一相/第二相試験は2023年8月に開始され、現在も被験者登録が続いています。
AB-1003は、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いた遺伝子治療です。作用機序は、筋肉細胞内に正常なFKRP遺伝子を導入し、欠損または異常な遺伝子を補完することです。これにより、筋細胞の機能改善と筋肉の維持を図ります。
AskBioはAAVベースの治療法を開発しており、複数の神経筋疾患をターゲットに、革新的な治療法の提供を目指しています。