米バイオテクノロジー企業Biogenと、革新的な技術で注目の新興企業Neomorphが、アルツハイマー病、希少神経疾患、免疫疾患を対象とした新たな治療法を共同開発する契約を締結しました。
両社の目的は、分子接着剤分解剤技術を活用して、これまで治療が難しいとされてきたターゲットに対して、効果的な治療を提供することです。
目次
分子接着剤分解剤技術の可能性
分子接着剤分解剤は、特定のタンパク質を分解することで、病気の原因に直接作用します。
従来の薬が効果を示せなかった難治性ターゲットにも対応可能で、アルツハイマー病などの神経変性疾患に対して革新的な治療効果が期待されています。
特に、細胞内で異常を引き起こすタンパク質を標的にすることで、治療選択肢が限られていた疾患に対する新しいアプローチが可能になります。
契約の詳細
- 提携内容:Neomorphの分子グルー技術を活用し、Biogenの優先するターゲットに向けた治療候補薬を共同開発
- 資金面:BiogenはNeomorphに対し、今後の研究進展に応じて最大14.5億ドルを提供予定
- 役割分担:候補薬の特定と最適化は両社で協力し、臨床試験と商品化はBiogenが担当
BiogenとNeomorphのコメント
Biogen研究部門の責任者であるJane Grogan博士は、「今まで手の届かなかった生物学的ターゲットに挑む新しい治療法を模索しています。この契約は、科学的な挑戦を前進させる一歩です」と述べています。
一方、NeomorphのCEOであるPhil Chamberlain氏も、「当社の分子グルー技術がBiogenの専門知識と融合することで、難治性疾患の治療に革新をもたらす」と語り、提携への期待を表明しました。