MENU

【アストラゼネカ】Fasenra、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症治療で欧州承認

アストラゼネカの抗体医薬「Fasenra(ベンラリズマブ)」が、新たに難治性および再発性の好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)に対する補助療法として欧州連合(EU)で承認を取得しました。

EGPAは好酸球の増加による血管の炎症が原因で、肺や心臓など多臓器にダメージを与え、未治療の場合は致命的になることもあります。治療には通常ステロイド薬が使われますが、長期使用による副作用が問題視されています。

この承認は、世界的に権威のある医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン」に掲載された第III相臨床試験「MANDARA」のデータに基づいています。

MANDARA試験は、Fasenraと従来薬メポリズマブを比較する初の大規模な臨床試験で、140名のEGPA患者を対象に行われました。

目次

試験結果のポイント

  • 寛解率:Fasenraを投与された患者の約60%が寛解に達し、メポリズマブ投与群と同等の効果が確認されました。
  • ステロイドの完全中止率:Fasenra群の41%が経口ステロイドを完全に中止でき、対照群の26%を上回りました(差異16%、95%信頼区間[CI]: 1-31)。

治験の中心的役割を担ったドイツ・テュービンゲン大学病院のバーナード・ヘルミック教授は、「EGPA患者にとって寛解は目指すべき重要な目標です。Fasenraが好酸球を標的として作用することで、患者の寛解率を向上させ、長期的にステロイドへの依存を減らす効果が期待されます」と述べています。

Fasenraの特徴

Fasenraは月に1回の皮下注射で済む利便性の高い薬剤です。これまで、主に好酸球性重症喘息に対して広く使われてきましたが、今回の承認でEGPA患者にも新たな治療オプションが提供されることになります。

アストラゼネカのバイオファーマシューティカルズ事業部のルード・ドバー副社長は、「今回の承認は、治療が難しい希少疾患の患者にとって画期的な前進です」と述べています。

安全性について

MANDARA試験においてFasenraの安全性は既知の副作用プロファイルと一致しており、新たな重大な副作用は確認されていません。

EGPAは世界で約11万8000人が罹患すると推定される希少疾患で、症状には極度の疲労、体重減少、筋肉・関節痛、皮疹、神経痛、鼻や副鼻腔の症状などがあります。治療法が限られている中で、今回の承認により、欧州のEGPA患者にとって新たな選択肢が広がることが期待されます。

Fasenraは元々は日本の協和キリン創薬の薬剤です!日本の薬が羽ばたくのは嬉しいですね!

参考情報

https://www.astrazeneca.com/media-centre/press-releases/2024/fasenra-approved-in-the-eu-for-eosinophilic-granulomatosis-with-polyangiitis.html#!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次