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【塩野義製薬】新規抗RSウイルス薬候補S-337395、FDAファストトラック指定を受領

塩野義製薬株式会社とUBE株式会社が共同開発中の新しい抗RSウイルス薬「S-337395」が、米国食品医薬品局(FDA)よりファストトラック指定を受けました。この指定は、重篤な疾患に対する新たな治療法の早期開発と審査の迅速化を図る制度で、RSウイルス感染症に対する未解決の治療ニーズに応える可能性がある薬剤に与えられます。

目次

RSウイルス感染症とその重要性

RSウイルス(Respiratory Syncytial Virus)感染症は、乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層に影響を及ぼす呼吸器疾患です。2歳までにほとんどの子どもが一度は感染し、再感染も生涯にわたって繰り返されることが多いです。特に、新生児や乳児、高齢者では感染が重篤化し、下気道に炎症を引き起こして肺炎や気管支炎を伴うことが多いため、早期治療が極めて重要です。しかし、RSウイルスに対する効果的な抗ウイルス薬は現時点でなく、この分野には大きな未解決の治療ニーズが存在しています。

S-337395の作用機序と特徴

S-337395は、塩野義製薬とUBEが共同研究で発見した経口投与可能な新規の抗RSウイルス薬候補です。この薬剤は、RSウイルスの複製に不可欠な特定のタンパク質を標的とし、ウイルスの増殖を抑えることで治療効果を発揮します。これにより、ウイルスの増殖を抑制することで、症状の悪化を防ぎ、病態の改善が期待されます。

非臨床試験での効果

非臨床試験においては、S-337395が用量依存的に肺内のRSウイルス量を減少させる効果が確認されました。この結果は、同薬剤が体内でのウイルス制御に有効であることを示しており、今後の臨床試験でも同様の効果が確認されることが期待されています。

開発状況と今後の展望

現在、S-337395の有効性と安全性を確認するために、Phase 2試験が進行中です。今回のファストトラック指定により、FDAと頻繁な協議が可能となり、段階的な申請資料の提出を通じて開発・審査のプロセスが加速される見通しです。これにより、一日でも早く重篤なRSウイルス感染症に苦しむ患者に向けて新しい治療選択肢が提供できる可能性が高まっています。

塩野義製薬とUBEは、それぞれの専門分野の強みを活かし、本剤の開発を推進し、早期の市場投入を目指しています。

参考情報

https://www.shionogi.com/jp/ja/news/2024/10/20241024.html

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