Remedy Pharmaceuticalsが開発中のCIRARAが、米国食品医薬品局(FDA)より、大脳半球梗塞(LHI)を含む「大領域急性虚血性脳卒中」の治療薬としてオーファンドラッグ指定を受けました。
目次
大脳半球梗塞とは?
大脳半球梗塞(LHI)は、内頸動脈や中大脳動脈が閉塞することで発生します。このため脳の広範囲にわたって血流が遮断され、急速な脳浮腫が生じ、深刻な損傷が引き起こされます。LHIは、一般的な脳卒中よりも重篤で、高い死亡率と長期的な障害が特徴です。
CIRARAの作用機序
CIRARAは、脳浮腫を引き起こす主要な要因である「SUR1-TRPM4チャンネル」を標的とした薬剤です。脳卒中などで脳が損傷を受けると、SUR1というタンパク質が活性化し、このタンパク質がTRPM4チャンネルと結びつきます。
このチャンネルは、ナトリウムや水分の過剰な流入を引き起こし、脳細胞の腫れや壊死を加速させます。CIRARAは、このSUR1-TRPM4チャンネルの働きをブロックすることで、脳内への水分の過剰な流入を防ぎ、脳浮腫を抑制します。
この作用により、CIRARAは脳の損傷を最小限に抑え、脳卒中後の生命予後や機能回復を改善することが期待されています。特にLHIのような広範囲の脳梗塞において、脳の腫れによる圧迫やさらなる組織損傷を防ぎ、患者の重篤化を軽減することが目指されています。