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TNX-102 SL、米国15年ぶりの線維筋痛症治療薬としてTonixがFDAに新薬承認申請を提出

Tonix Pharmaceuticalsは、線維筋痛症の治療を目的とした非オピオイド鎮痛薬「TNX-102 SL」の新薬承認申請を米国食品医薬品局(FDA)に提出しました。

申請は、2つの第3相臨床試験で示された有効性と安全性のデータに基づいています。

もし承認されれば、TNX-102 SLは15年以上ぶりに新たな線維筋痛症治療薬となり、非オピオイドでありながら強力な鎮痛効果を持つ、新しい薬剤クラスの先駆けとなる可能性があります。

目次

TNX-102 SLとは?

TNX-102 SL(シクロベンザプリン塩酸塩舌下錠)は、線維筋痛症に伴う慢性的な広範痛を軽減するために開発された、非オピオイド系の中枢作用性鎮痛薬です。

特に、線維筋痛症に特徴的な非回復性睡眠を改善することを狙い、就寝前に服用するよう設計されています。FDAからは、疾患の治療において未充足の医療ニーズを満たす可能性があるとして、2024年7月にFast Track指定を受けています。

この薬の作用機序は、脳内のセロトニン受容体(5-HT2A)、アドレナリン受容体(α1)、ヒスタミン受容体(H1)、およびムスカリン受容体(M1)への拮抗作用を通じて、線維筋痛症における睡眠障害を改善し、痛みを軽減するものです。

従来のオピオイド系鎮痛薬とは異なり、TNX-102 SLは依存性のリスクがなく、長期的な使用が期待されています。

臨床試験の結果

Tonixは、TNX-102 SLの有効性と安全性を評価するために、2つの主要な第3相試験を実施しました。

  • RELIEF試験(2020年完了):TNX-102 SLは、慢性的な広範痛を有意に軽減し(p=0.010)、プラセボ群と比較して有効性が確認されました。
  • RESILIENT試験(2023年完了):確認試験として実施されたこの試験でも、TNX-102 SLは主評価項目である日常的な疼痛の有意な軽減を示し(p=0.00005)、その効果は一貫していました。

これらの試験において、TNX-102 SLは総じて良好な忍容性を示し、副作用はほとんどが軽度で一過性のものでした。最も一般的な副作用は服用後の舌や口の一時的なしびれで、これらは重篤ではなく、試験中止に至るケースは稀でした(各試験で1例のみ)。

承認への期待と今後の展望

TNX-102 SLがFDAに承認されれば、線維筋痛症の患者にとって新たな治療選択肢が提供されることになります。。TNX-102 SLは、従来の薬剤は異なる作用機序を持ち、特に睡眠の質を改善することで慢性疼痛を緩和する点が注目されています。

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