塩野義製薬は、IDWeek 2024でグラム陰性菌感染症治療薬セフィデロコルのリアルワールドエビデンス(PROVE研究)の結果を発表しました。
本研究は、薬剤耐性を持つ重症のグラム陰性菌感染症患者に対するセフィデロコルの実臨床での有効性と安全性を評価した国際的な多施設共同の後ろ向き観察研究です。
主な試験結果として、セフィデロコルの臨床的成功率(症状が消失または改善した割合)は以下の通りです
- 呼吸器感染症:71.6%
- 血液感染症:74.1%
- 尿路感染症:91.2%
- 全体の臨床的成功率:75.1%
また、30日以内の全死因死亡率は23.3%と報告され、重症患者に対する有効な治療効果が示されました。
対象となった1,075例の患者のうち、半数以上(56.6%)は集中治療室で治療を受けており、感染症の内訳は呼吸器感染症が53.1%、尿路感染症が10.6%、血液感染症が10.0%でした。
また、74.6%の患者がカルバペネム系抗菌薬に対する耐性を持っていたことが確認されています。
主な原因菌は緑膿菌(35.9%)、アシネトバクター・バウマニ(18.1%)、腸内細菌目細菌(13.1%)であり、複数のグラム陰性菌による感染症が25.2%の患者に見られました。副作用は25例で報告され、セフィデロコルの忍容性は良好であることが確認されています。
目次