ロシュは、脊髄性筋萎縮症(SMA)に対するエブリスディ(一般名: risdiplam)の2年間の治療データを発表しました。
このデータは、生後6週間以内に症状が現れる前に治療を開始した子供たち(n=23)を対象にしたRAINBOWFISH試験によるもので、多くの子供たちが通常では達成困難とされる運動発達のマイルストーンを達成したことが確認されました。
目次
主な試験結果
- SMN2遺伝子コピー数が3つ以上の子供(n=18):全員が独立して立つ、歩く(100%)という運動発達を達成。これらのマイルストーンは、WHO基準の通常の発達スケジュール内で達成されました。
- SMN2遺伝子コピー数が2つの子供(n=5):全員が座ることができ(100%)、そのうち60%が独立して立つ、歩くことが可能になりました。
- 認知機能:全ての子供が、標準的な認知スケール(BSID-III認知スケール)において、SMAを持たない子供と同等の認知スキルを示しました。
- 飲食能力と人工呼吸器の必要性:試験に参加した全ての子供が口から食事を摂取でき、永久的な人工呼吸器を必要とする子供はいませんでした。
- 副作用:副作用は軽度で、最も一般的なものは歯の生え変わり、胃腸炎、下痢、湿疹、発熱などでした。副作用の大半は治療とは関連せず、年齢に伴うものと考えられ、時間とともに解消されました。
背景と意義
SMAは、運動ニューロンが早期に変性するため、症状が現れる前の早期治療が重要です。エブリスディの2年データは、早期に治療を開始することで、通常では不可能とされる運動機能の発達を可能にし、SMAの子供たちの生活の質を改善できることを示しました。
2024/10現在、エブリスディは、100カ国以上で承認され、16,000人以上のSMA患者に治療が提供されています。