Rocheは、胃がんおよび胃食道接合部(GEJ)がん患者向けの診断薬「VENTANA CLDN18 (43-14A) RxDx Assay」がCE認証を取得したと発表しました。
この診断薬は、Astellasのターゲット治療薬「VYLOY(zolbetuximab)」の適応となる患者を特定する初のツールです。CLDN18.2というタンパク質の発現を確認し、患者が治療の恩恵を受けられるかを判断します。
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試験結果の解説
この診断薬の効果は、SPOTLIGHTとGLOWという臨床試験で確認されました。これらの試験では、CLDN18.2が陽性の患者に対して、zolbetuximab(VYLOY)と化学療法を併用することで、治療効果が向上するかどうかを調べました。
- CLDN18.2陽性患者: 約38%の胃がんおよびGEJがん患者がこのタンパク質を高いレベルで発現していました。診断薬を使うことで、こうした患者を特定でき、個別化された治療が可能になります。
- 病勢進行や死亡リスクの低減: CLDN18.2陽性患者がzolbetuximabと化学療法を併用した場合、病気が進行したり死亡するリスクが25~31%低減されました。これにより、患者の予後が改善されることが期待されています。
この診断薬の導入により、より多くの胃がん患者が適切な治療を受けることができ、治療効果が上がる可能性があるとされています。