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Ultragenyx社、骨形成不全症治療薬SetrusumabがFDAブレークスルーセラピー指定を取得

バイオ医薬品企業のUltragenyx社は、骨形成不全症(Osteogenesis Imperfecta: OI)治療薬候補「Setrusumab(UX143)」が、米国食品医薬品局(FDA)よりブレークスルーセラピー指定を受けたと発表しました。

対象は、2歳以上のOI患者で、特にOIのタイプI、III、IVにおける骨折リスクを軽減することを目的としています。

今回の指定は、Setrusumabがこれまで治療選択肢が限られていた骨形成不全症に対して有効な治療薬となる可能性を示したことを評価しています。

同薬は、Orbit試験の第2相パートにおいて、14ヵ月間の観察期間で骨折リスクを有意に低減した結果を受けて、治療効果の臨床的意義が確認されました。また、以前のASTEROID試験(第2b相)においても、骨形成や骨密度の改善効果が証明されています。

骨形成不全症は遺伝性の希少疾患 骨形成不全症は、遺伝性の骨代謝障害であり、COL1A1またはCOL1A2遺伝子の変異により、骨を構成するコラーゲンが異常になることが原因とされています。

これにより骨がもろくなり、患者は骨折しやすく、骨の変形や成長障害、痛み、運動機能の低下を引き起こすことが知られています。現在、根本的な治療法はなく、症状の管理が中心となっています。

スクレロスチンを標的にした新規治療薬 Setrusumabは、骨形成を抑制する「スクレロスチン」を阻害する完全ヒト型モノクローナル抗体です。この作用により骨形成を促進し、骨密度や骨強度を向上させることが期待されています。マウスモデルを用いた試験では、正常レベルまで骨の質を改善し、骨折耐性を向上させる結果が確認されています。

Ultragenyx社とMereo BioPharma社は共同でSetrusumabの開発を進めており、今後も小児および若年成人患者を対象とした後期臨床試験を実施する予定です。今回の指定により、審査プロセスが迅速化されることが見込まれ、早期の患者への提供が期待されています。

同社のエリック・クロンベズ最高医療責任者(CMO)は、「Setrusumabが患者とその家族に希望をもたらす新たな治療法となるよう、今後も迅速な開発を続けたい」と述べています。

参考情報

https://ir.ultragenyx.com/news-releases/news-release-details/ultragenyx-receives-breakthrough-therapy-designation-setrusumab

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