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ノボセブン、新効能追加でグランツマン血小板無力症患者の治療選択肢拡大

ノボノルディスク ファーマ株式会社は、遺伝子組換え活性型血液凝固第 VII 因子製剤「ノボセブン HI 静注用シリンジ」について、グランツマン血小板無力症患者の「出血傾向の抑制」を新たな効能として日本で承認を取得したと発表しました。

目次

背景

グランツマン血小板無力症は、血小板の凝集が正常に行えない希少な出血性疾患で、血小板輸血が一般的な治療法ですが、同種抗体の発現により効果が見られない「輸血不応状態」に陥ることがあります。これまでノボセブンは、この輸血不応状態の患者のみを対象に適用されていました。

新効能の承認経緯

欧米ではすでに2010年代後半から、血小板輸血が不適当と判断される状況でもノボセブンを使用できるよう承認が拡大されていました。今回、日本でも観察研究やレジストリ調査の成績をもとに、輸血不応状態でなくても「直ちに血小板輸血が困難な場合」に使用可能とする新効能が承認されました。

F7HAEM-3521試験の結果

15カ国から収集された前向きレジストリ調査では、グランツマン血小板無力症患者218例に対してノボセブンを投与し、以下の結果が得られました。

出血エピソード治療の有効率

  • 全体:78.7%(333回中262回)
  • 抗血小板抗体を保有しない集団:74.2~84.9%
  • 血小板輸血不応状態のない集団:55.6~84.9%

手術時の止血管理の有効率

  • 全体:88.1%(159回中140回)
  • 抗血小板抗体を保有しない集団:66.7~95.7%
  • 血小板輸血不応状態のない集団:84.0~100%

いずれの集団でも、抗血小板抗体を保有し血小板輸血不応状態のある集団と同等の有効性が確認されました。

今後の展望

今回の承認により、グランツマン血小板無力症患者は輸血不応状態に限定されない治療選択肢が広がりました。ノボセブンは、血小板輸血が困難な状況においても有効な治療選択肢として、患者の出血治療を支える薬剤となることが期待されますね。

参考情報

https://www.novonordisk.co.jp/content/dam/nncorp/jp/ja/news/media/2024/09/24-25.pdf

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