小野薬品工業株式会社(大阪市)とブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社(東京都)は、抗PD-1抗体「オプジーボ®」と抗CTLA-4抗体「ヤーボイ®」の併用療法について、新たに「治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸がん」に対する一次治療としての効能追加を申請したことを発表しました。
今回の申請は、MSI-Highまたはミスマッチ修復欠損(dMMR)を有する結腸・直腸がん患者を対象に行われた国際共同第Ⅲ相臨床試験「CheckMate -8HW」の結果に基づいています。
同試験では、治療歴のない患者を対象に、オプジーボとヤーボイの併用療法が従来の化学療法と比較して、無増悪生存期間(PFS)を統計的に有意かつ臨床的に意義のある形で延長することが確認されました。
試験結果の概要
- 無増悪生存期間(PFS): オプジーボとヤーボイの併用療法群は、化学療法群に比べて統計的に有意な延長を示しました。
- 安全性プロファイル: これまで報告されている安全性データと一貫しており、新たな安全性シグナルは確認されませんでした。
CheckMate -8HW試験では、オプジーボとヤーボイの併用療法が、標準的な化学療法(mFOLFOX6やFOLFIRIとの併用療法)に比べ、特に治療歴のない患者において有効性を示したとされています。
この併用療法が一次治療として承認されれば、MSI-HighまたはdMMRを有する進行・再発の結腸・直腸がん患者に新たな治療選択肢が提供されることが期待されます。
結腸・直腸がんの現状
結腸・直腸がんは、全世界で年間約192.6万人が新たに診断される主要ながんであり、日本でも年間14.5万人が新規に発症しています。
特にMSI-HighまたはdMMRを有する患者は全体の約5%にあたり、治療効果が限定的であったこれまでの化学療法に代わる新たな治療法の開発が急務とされています。
今回の効能追加申請が承認されれば、オプジーボとヤーボイの併用療法が結腸・直腸がんの一次治療として広がる可能性があり、患者の予後改善に寄与することが期待されますね。