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RYBREVANTとLAZCLUZE併用療法、EGFR変異肺がん治療において優れた生存率を示す

Johnson & Johnsonの発表によると

進行非小細胞肺がん(NSCLC)の治療において、RYBREVANT(amivantamab-vmjw)とLAZCLUZE(lazertinib)の併用療法が、従来のオシメルチニブ単剤療法と比較して、長期的な生存率において有望な結果を示したとのこと。

データは、国際肺がん学会(IASLC)が主催する2024年世界肺がん会議(WCLC)にて発表されました。

今回の報告は、MARIPOSA試験と呼ばれる第3相試験の最新データに基づいており、EGFR遺伝子変異(エクソン19欠失またはL858R変異)を有する進行NSCLC患者を対象に行われました。

試験結果によれば、RYBREVANTとLAZCLUZEの併用療法を受けた患者は、オシメルチニブを使用した患者に比べて、生存期間の延長が期待できることが示されています。

中央値31.1か月のフォローアップ期間において、併用療法を受けた患者の61%が生存しており、オシメルチニブ群の53%を上回りました。

試験の具体的なデータによると、RYBREVANT+LAZCLUZE群の生存率は61%で、オシメルチニブ群の53%と比較して約8%高い結果が示されました(HR: 0.77, 95% CI: 0.61-0.96, P=0.019)。

さらに、3年目時点での中枢神経系疾患の進行抑制においても、RYBREVANT併用療法のほうが良好な傾向を示し、特に脳内での無増悪生存率はオシメルチニブ群の18%に対して38%と2倍に達しました。

目次

試験結果の要点

  • 全生存率(OS)
     - RYBREVANT+LAZCLUZE群:61%
     - オシメルチニブ群:53%
     - ハザード比(HR):0.77
     - 95%信頼区間(CI):0.61-0.96
     - P値:0.019
  • 中枢神経系無増悪生存率
     - RYBREVANT+LAZCLUZE群:38%
     - オシメルチニブ群:18%
     - HR:0.82
     - 95% CI:0.62-1.09
     - P値:0.165

今回の試験結果について、Henry Ford Cancer Instituteの主任医師であるShirish Gadgeel氏は、「RYBREVANTとLAZCLUZEの併用療法は、EGFRおよびMET経路を同時に遮断し、さらに免疫系を活用することにより、化学療法を使用しない新たな治療法として大きな可能性を示しています」とコメントしました。また、治療により脳内への病変進行も抑制され、長期的な臨床的利益が期待されるとしています。

加えて、RYBREVANT併用療法を受けた患者の40%が3年目時点で治療を継続しており、オシメルチニブ群の29%を上回る結果となりました。また、治療を受けた患者のうち、次の治療に進む必要がなかった割合もRYBREVANT併用療法群で45%、オシメルチニブ群で32%という差が見られました。

RYBREVANTとLAZCLUZEの併用療法は、既に2024年8月に米国食品医薬品局(FDA)によってEGFR変異を有するNSCLCに対する第一選択治療として承認されています。今回のデータは、その有効性をさらに裏付けるものであり、今後も長期的な追跡調査が続けられる予定です。

副作用と安全性

安全性の面では、RYBREVANT®併用療法による治療中止率は10%であり、肺炎などの重篤な副作用の発生率は両群とも3%未満に抑えられています。

今回のMARIPOSA試験の成果は、EGFR遺伝子変異を有するNSCLC患者に対して、化学療法を使わずにより効果的な治療選択肢を提供する可能性を示しており、今後の治療戦略に大きな影響を与えることが期待されています。

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