GSKは9月9日、超長時間作動型生物製剤である「Depemokimab」を使用した第3相臨床試験(SWIFT-1およびSWIFT-2)の詳細な結果を、欧州呼吸器学会(ERS 2024)で発表しました。
重症喘息患者を対象に行われたこの試験で、Depemokimabはプラセボと比較して、重症喘息増悪(喘息発作)の発生率を大幅に減少させることが確認され、喘息治療における新たな可能性を示しました。
Depemokimabは6ヶ月に1回の投与で、Type 2炎症(好酸球増加を伴う炎症)を持続的に抑制できる点が特徴で、これにより喘息発作や入院のリスクを減少させることが期待されています。
主な試験結果は以下の通り:
- 重症喘息増悪(喘息発作)の発生率
- Depemokimab群はプラセボ群と比較して発作リスクが54%減少
- Depemokimab群:年平均0.51回
- プラセボ群:年平均1.11回
- [Rate Ratio 0.46, 95% CI 0.36 – 0.59, p<0.001]
- 入院や救急外来を要する増悪のリスク
- Depemokimab群で72%減少
- [RR 0.28, 95% CI 0.13 – 0.61, p=0.002]
この結果は、増悪による入院や救急対応のリスクを大幅に減少させ、患者の生活の質を改善する可能性を示しています。また、Depemokimabは半年に1回の投与で十分な効果を発揮するため、治療へのアドヒアランス向上にもつながると考えられます。
試験を率いたキングス・カレッジ・ロンドンのDavid Jackson教授は、「今回の結果は、重症喘息患者に対する治療法を進化させる可能性を示すものであり、特に入院を伴う増悪を予防することは、治療における最優先事項です」と述べています。
Depemokimabは、現在、世界各国で承認申請に向けた準備が進められています。さらなるデータの蓄積とともに、喘息だけでなく他の好酸球関連疾患にも応用が期待されますね!
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