気持ちよく取るための有給休暇取得マニュアル【知識武装編】

みなさん有給休暇は取れているでしょうか？

製薬業界はこの辺進んでいまして、かなり有給休暇が取りやすい会社が多いです。

ただ、会社や支店、上司によっても濃淡がある様でして…

 

 

弊社の有給休暇ってすっごい簡単な上に携帯保持義務とかもないんですけど、ツイートで違う会社も有るって見て震えています🥲

製薬会社の皆様
有給休暇を

— チクチク＠お薬ブログ (@mrnetinfo) April 26, 2021

閲覧用を除いて集計すると

• 気楽に取れる:81.8%
• 気楽に取れない:14.3%
• 有給休暇は悪:3.9%

となっています。

 

 

さらに旅行代理店であるエクスペディアが2018年に実施した以下調査によると

■サンプル数： 計11,144名/19ヶ国
■調査対象： 日本、アメリカ、カナダ、メキシコ、ブラジル、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、香港、インド、マレーシア、シンガポール、韓国、タイ、台湾
■調査期間： 2018年9月19日～28日
■調査方法： インターネットリサーチ
■調査会社：Northstar

引用：有給休暇国際比較調査2018

この調査によると日本人の６割くらいが有給に罪悪感あると感じているようです。

８割が気兼ねなく取れるという製薬業界は有給を取りやすいのかなとは思います。

ただ逆に２割弱は気兼ねなく取れないと言う訳です。

 

これには少なからず労使双方の知識不足も関係しているのではないかな？と思います。

そこで、本記事は有給休暇を取りにくい方&新入社員向けに

上記を紹介することで有給を気持ちよく取るための最低限の知識武装をしていただける内容となっています。

しっかりと知識武装をして気持ちよく有給を取得するために役立ててください！！

 

有給休暇の概要

今更、有給ってなに？って人もいない気がするんですが、読んで字の通り

給料がもらえる休暇が有給休暇です。

 

そしてその目的は国として以下の通り考えられています。

労働者の心身の疲労を回復させ、労働力の維持培養を図るととも に、ゆとりある生活の実現にも資するという趣旨

引用：平成21年5月29日基発0529001号

心身の疲労回復やゆとりある生活だけでなく

労働力の維持培養にも寄与する

付与日数

まずはどれだけの日数が与えられるのか。見てみます。

有給休暇の付与日数は労働基準法の第三十九条に定められています。

使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。

引用：労働基準法　第三十九条

1. ６ヶ月以上継続勤務
2. ８割以上出勤

以上２条件を満たす場合に10日間以上の有給が付与が義務として企業に定められています。

 

なお給付日数は年々増加し、6.5年以上は毎年20日付与されます。

パートタイムやアルバイトも対象

実は所定労働時間が30時間以内のパートタイム労働者にも付与されます。

引用：厚労省：有給休暇ハンドブック

 

取得時期と時季変更権

取得する時期に関しても労働基準法に明記されています。

使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。

ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えられる。

引用：労働基準法　第三十九条

つまり、労働者が欲しい！と言った場合、会社は有給休暇を与えなければなりません。

そこに、取得理由や条件を挟む余地はありません！基本的には無条件で与えられるものが有給休暇です。

この39条に違反すると6ヶ月以上の懲役または30万円以下の罰金が課されます。

細かいポイントは複数ある &商習慣にもよるみたいですが、基本的には代替要員が確保できないほど忙しい場合に使用が認められるとされているようです。

 

なお会社に認められているのは時節変更権だけなので有給申請理由を根拠に有給を認めないのは違法です。

 

つまり有給に理由なんか言う必要はありません。

申請書があって書く場合も私用でOKです。

不利益取扱の禁止

労働基準法では有給休暇を理由に取得者が不利益を被らないようにするように配慮しています。

使用者は、第三十九条第一項から第四項までの規定による有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない。

労働基準法　第百三十六条

なので、基本的には有給取得に関して圧力をかけてきた場合には会社が悪いです。

ただ、136条は努力義務なので会社に罰則はありません。

努力義務という背景もあり、過去労働者側が負けた判例（沼津交通社事件）もありますし、賞与の減額等に繋がったとしても勤務態度や実績等で客観的に説明されてしまうと咎めることはできません。

136条を掲げて無茶な有給を取りづつけ、上長に目をつけられ、降格のターゲットにされ

その結果、客観的な証拠を固められPIP対象になったとしても、それは自己責任です。

 

有効期限は２年

有給休暇には時効が決められています。

この法律の規定による賃金の請求権はこれを行使することができる時から五年間、この法律の規定による災害補償その他の請求権（賃金の請求権を除く。）はこれを行使することができる時から二年間行わない場合においては、時効によつて消滅する

労働基準法　第百十五条

このように２年で権利が失効しますので、有給休暇の最大付与料は20日×２年で40日となります。

有給休暇のメリット

有給休暇の企業側のメリットは日本でも調べられていまして、平成28年に厚労省から報告があります。

※以下　労働市場分析レポート 第 86 号 から引用

このように有給休暇取得率と離職率&労働生産性には相関が見られています。

• 休暇取得率が高い産業は、離職率が低い傾向がある
• 休暇取得率が高い産業は、労働生産性が高い傾向がある

因果関係ではなくて相関関係なので注意してみる必要はありますし、

生産性が高いから休みやすいとか、離職率が低いいい環境だから休みやすいといった可能性は排除できませんが、

何らかの関係があると見て良さそうではあります。。

 

有給取得時のポイント（まとめ）

 

• 半年ちゃんと働けば新人でも10日はもらえる。
• 有給に理由はいらない。最低限必要な場合は私用くらいでOK！（破ると39条違反で会社に罰則あり）
• 有給休暇は離職率を下げ、生産性をあげる可能性が高いので会社のためにもなる！自信を持って取ろう！
• 会社には取得時期を変える時節変更権があることに注意！替えがきかないほと忙しいと時期が変わるかも？
• 調子に乗ってPIP対象にならないように職場に最低限の配慮はしよう！！