MRにセクハラ、枕営業ってあるの？【法的責任と対策を徹底解説】

今回のテーマはセクハラです。
2020年11月あるニュースが
業界を震撼させました！

経営する整形外科医院で、製薬会社の女性ＭＲ（営業担当）にわいせつな行為をし、避けようとした女性が椅子から転落して左目を床に打ち付け、視力低下など全治不能の傷を負ったとして、強制わいせつ致傷の罪に問われた医師(53)の裁判員裁判の初公判が20日、津地裁（柴田誠裁判長）であった。被告は起訴内容を一部否認し、弁護側は無罪を主張した。

起訴状などによると、被告は平成27年３月24日午後１時５分ごろから20分ごろまでの間、診察室で、丸椅子に座っていた女性ＭＲ＝当時(30)＝の胸を服の上から触り、額にキスをし、女性の顔に自分の股間を押し付けようとしたとされる。

女性は股間を顔に押し付けられそうになった際に避けようとして体をひねり、椅子から転落。左目付近を床に打ち付けたことで左目が十分に開かなくなり、視野が狭くなって視力が落ちたとされる。

冒頭陳述で検察側は「女性にとって重要な取引先だった。そのため、女性はわいせつ行為を受けた際『やめてください』と拒絶の意思を伝えたが、強い口調では拒絶できなかった」と指摘。別の製薬会社の女性ＭＲも萬濃被告にわいせつ行為を受けていたことを紹介した。

弁護側は「額にキスはしたが、胸は触っていないし、股間を顔に押し付けてもいない。わいせつというほどのことをしていないので無罪だ」と主張した。

2020/11/21:伊勢新聞から個人名改変：被告の開業医側が無罪主張　女性ＭＲに強制わいせつ致傷　津地裁初公判

え？MRってセクハラやばくない？
セクハラ受けたら断れないの？
枕営業とか大丈夫？

こんな風に恐怖感を感じた人が
少なからず、いらしゃいますよね？

※追記：本事件は有罪判決がその後出ております（2023年11月追記）

三重県松阪市の整形外科医院で平成２７年に女性にわいせつな行為をした上、左目に全治不能のけがをさせたとして、強制わいせつ致傷罪に問われた医院長、萬濃裕司被告（５３）に、津地裁の柴田誠裁判長は４日、「執拗（しつよう）にわいせつ行為を行っており、かなり悪質」として懲役３年、執行猶予５年（求刑懲役３年）の判決を言い渡した。

わいせつ罪で整形外科医院長有罪　津地裁判決

多くの女性MRはセクハラを経験

ぶっちゃけた話なんですが
私、これまで結構ディープなエリアを
MRとして担当してきたこともあって、
このニュースをみた時の感想は
「まぁあるよな…」
と感じていました。

実際、女性MRが触られたって話も
聞いたことありますし、
それやばくね？と思って止めたり
匿ったりした経験もありました。

ただ、「特殊なエリア性によるもの」なのか、
「男性の立場から語ること」が正しかったのか
分からなかったので
Xでアンケートを取らせていただきました。

以下がその結果です。

閲覧と男性が多いのでそれらを省くと

ある：ない＝3：１

約75%が経験しているという結果です。
思ったより結構ありますねぇ…
半々くらいかなって思ってました。
4人女性MRがいたら
３人は顧客からセクハラを受けている計算です。

他の女性労働者と比べて多いの？

まぁカケコムの調査は
男性も５割経験あるって言ってるから、
ちょっと高い気はしますが…

MRの75％も直接比較するべきではないけど、
日本人の働く女性という意味では
MRは多い方とも言えるんじゃないでしょうか？

法的解釈は？程度は人それぞれ

続いて法律面を掘り下げてみます。

セクハラって当たり前すぎて
定義ってどうなってるか
知らない人多いんじゃないでしょうか？

セクハラに関連する法律は

1. 日本国憲法
2. 男女雇用機会均等法
3. 民法
4. 刑法
5. 会社法

の５つがあります。

画像引用：法務省セクシャルハラスメント

記載にあるとおり、
特に男女雇用機会均等法では
職場におけるセクハラを以下と定義しています。

　事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

男女雇用機会均等法第11条1項

どんな場所でセクハラは起きる？

セクハラを受ける相手って
顧客、卸MS、社内の３種類主にいますよね。

MRが対応する人間は
この３種類で99％占めますので当然ですね。

場所としては飲み会の席や
その帰り道がほとんどでしょう。

一対一と言う条件と
お酒にって他人の感情への理解力が低下した結果、
越えてはならない一線を越えてしまいます。

余談ですが、アルコールは他人の感情への理解力を下げるということが研究からわかっています。
具体的に言うと相手の表情から得られる情報を適切に判断できなくなります。
しかしながら道徳的な判断能力については奪わないということがわかっています。
つまり、相手が嫌がるか否かと言う判断はあやふやになりますが、明らかにやってはいけないことは間違いません。酔って相手を押し倒してしまうことがあっても、強姦したり殴ったりすることはありえません。
酔っ払って法律を犯す人（殴るとか盗むとか）がいらっしゃいますが、そう言った人はヤバイやつです。
彼らは普段から道徳がない人種なので距離をとった方が良いです。
参考：Psychopharmacology (2019) 236:3477–3496

得意先で触ってくる場合はどうしようもないので、
即会社に相談しましょう。
アルコールによる共感力の低下もなく
セクハラしてくるヤバイ人種です。
モラル崩壊しているとしか言いようがありません。

これに対して担当交代等適切に対応しない会社は
男女雇用機会均等法違反です。
即コンプライアンス部や
外部組織に直電してOKです。

こういった得意先は
予め噂になっていることが多いので、
先輩他社の女性MRから
情報収集しておくと良いでしょう。

枕営業はある？

これは会社の命令ではありえないですね。
言い切っていいレベルです。
ただ、個人の裁量でやっちゃう人は
本当に本当に稀にいます…

まぁこれは個人の裁量なので
何も言うことはありません。

ぶっちゃけ自身の資産の活用方法なので
外野が口を出すことではありませんね。
何がなんでも売るって言う姿勢自体は
嫌いではありません。

ただ、これだけは言っておきたいのですが、
それをやって幸せになったケースは
私は見たことがありません。

それをやって幸せになったケースは
私は見たことがありません。

まとめと対策

いかがでしたでしょうか？
思ったより女性MRは
セクハラを経験していますね。
本当に大変です…

セクハラを避けるためには

1. 気のない相手とは
   一対一のアルコールの場を避ける
2. 法律違反なので毅然と対応する

と言うことが大事じゃないでしょうか。
（キャリアを壊さないために男性にとっても重要です。）

顧客や社員の知的レベルが高いのも
MRの仕事の特徴です。
毅然と対応されると
ハラスメント気質の人であっても
ほとんど『やばいな』って理解します。

宴会芸の記事でも述べましたが、
MRのお酒の場はかなり減って来ています。

間違いなく女性も
適切に働ける環境に近づいていますので、
理解と覚悟は持ちながらも
安心して働いてもらいたいなと私は思っています。