クロージング迷子になってませんか?
営業していると、刺さらないクロージングをかけて絶望することってありませんか?
また刺さらないどころか、どうやってクロージング作るかわからない!!って悩んだことありませんか?
意外とこういう悩みって多いんじゃないかと長年営業であるMRやっていると感じます。
この状態をクロージング迷子と私は呼んでいます。
でも、これって、実は少しのマーケティング思考が身に付けば、ある程度、機械的に考えられる様になります。
なお私は「ドリルを売るには穴を売れ」という本を愛読していまして、マーケティング思考の基礎を教えていただきました。
そのため、かなりこの本に影響を受けています。その点ご了承ください。
合わせてご留意いただきたい点ですが、
今回はクロージング迷子にならないために、最低限必要な思考方法として、一番大事なベネフィットとERG理論というものに焦点を当てるために、いくつかの工程をごっそりカットし紹介していきます。
具体的に何をカットするかというと、
細かい属性にわけ、価値が刺さりやすい顧客を判定し(セグメンテーションとターゲッティング)
他社ではいけない理由を作り(差別化)
どのデータを使って価値を届けるか考え、どこで、どの様な方法が一番刺さりやすいか考え(4P)
顧客の欲望にのっとり(ERG理論)クロージングを
という方法がマーケティングの基本的方法になりますが、今回はセグメンテーション、ターゲティング、4Pを除外して紹介します。
全部やると間違いなく半端ない文量になってしまいますし、ゴシップ属性の当ブログの領分を超えてしまいます笑
なので今回はクロージング迷子にならないために、最低限必要な思考方法として、一番大事なベネフィットとERGに焦点を当てるために、真ん中の部分はごっそりカットし紹介していきます。
ERG理論とは
さあそれではやっていきましょう。
まずはERG理論からです。
ERG理論は1972年に、クレイトン・アルダファーがマズローの欲求五段階説を修正して提唱した理論です。
- Existence(生存)
- Relatedness(他者との関係)
- Growth(成長)
上記3つの頭文字をとってERGとしています。
MR的にわかり易くいうと
- Existence:儲けたい!楽したい!旅行して楽しみたい!!趣味で楽しみたい!!肉体的快楽欲求。
- Relatedness:チヤホヤされたい。名声が欲しい。感謝されたい。名前を残したい!承認欲求。
- Growth:勉強したい。専門を極めたい。手技を磨きたい。思う通りにしたい!!成長欲求。
個々の欲望の関係性も欲求5段階説と同じくE→R→Gとなっていますが、満たされなくとも上位の欲求は生まれるため同時に存在するとされます。
EとRはある程度満たされると満足しますが、Gは満足することなく満たされることで更なる成長欲を生みます。
ただし、上位の欲求が満たされないと下位の欲求を満たすことで代償しようとしますので注意が必要です。
上記の例でいくと、一定の成長により手技の上昇が見込めなくなり他に成長ポイントが見出せず成長欲を満たせなくなると、承認欲を満たすことで代償します。その承認欲が満たされなくなると、より楽をして儲けたいと思う様になります。
個人的意見ですが
医師はそもそも収入と名声に関してはある程度満たされていることが多いです。
なので若い頃はGrowthが強く、年次を重ねることで立場が変わり重視する欲求の階層、変わっていく人が多い状況です。
日本全国ではExistenceが強い20代も多いでしょうから、少々特殊なのかもしれません。(新卒時からある程度、給料高い業種共通かも)
もちろん顧客によってどこを重視しているかは千差万別ですが、
研修医、専攻医ほどGrowth欲求は強く、上級医はRelatedness、開業初期の経営層はExistence欲求、収入の多い開業医はRelatednessが強い傾向にあるというのは営業をやっている人ならば経験はあるのではないでしょうか。
製品データからベネフィットを考える
ERGの概要を理解いただけたでしょうか。
次にERGを埋めるためのベネフィットを考えていきます。
2:価値決定権を放棄しない。ちゃんとデータから価値を考える。
3:顧客に「で??」と思わせない
ERG理論とベネフィットを掛け合わせる
刺さりそうな価値が決まったら、顧客ごとのERGを判断して掛け合わせることでクロージングを作っていきます。
製品価値×相手の欲望=クロージングです!!
その前にわかり易く紹介しするため、少し横道にそれます。
本来ここではセグメンテーション分けと言って顧客ごとの属性を判断しターゲットを決めるという作業やどうやって価値を届けるのか?という思考過程が入りますが、MRの対1顧客を想定した場合、この過程は必要ないでしょう。
セグメンテーション分けは、価値が刺さりそうか否か判断するために行います。でも対1顧客の場合ほとんどのMRは肌感覚でそのデータの価値が刺さりそうか否か判断がつきますよね?
大事なのは考えた価値が刺さりそうか否かという肌感覚です。
わざわざ分かっていることを小難しくやる暇があったら、試行した方が早いですよね。
本題に戻ります。
顧客ごとにERGの重みは違うという話は冒頭でした通りです。
少し単純な掛け合わせ例をあげると、血圧を10下げイベントを抑えるという価値の場合
血圧を10下げイベントを抑えることで、専門領域の疾患管理にこの様な好影響があります
こんな感じでクロージングを作っていきます。
お気づきの方もいらっしゃるでしょうが、Growthのクロージングが少し苦しいですよね。
これは適した価値が選択されていないために起こっています。
実はこう言ったケースはセグメンテーションわけをしっかり行って、価値を届けるターゲットがしっかり決まっていると起こりにくくなります。
ただ前述の通り、対1顧客の場合は肌感覚で適していないと判断し、このデータと価値を届けることは止めると思います。通常は問題ないかと思います。
本来はAという薬があった場合。スペックは血圧を10下げるだけではありません。
一包化できるとか、禁忌が少ないとか添付文書の内容全てがスペックになります。
顧客ごとに届けるスペックデータと価値を吟味し、肌感覚で適している顧客を選びERGに則ってクロージングしていきましょう。
あとがき
冒頭でご紹介した通り、今回は一番大事なベネフィットとERGに焦点を当てるために、いくつかの項目をごっそりカットしています。
でもクロージングを考えるだけならばMRの場合これでOKじゃないかな?と思ってはいます。
何故かというと差別化とか、セグメンテーション、4Pに関してはMRって意外に自然にできていると思うんです。
自社品の薬物の差別化ポイント、医師属性、どうやれば情報を浸透させ安いか?こういうことは四六時中考えているのではないでしょうか。
その中で、最も基本にして重要なベネフィットとERG理論は意外に抜けている人が多いのではないかと考えています。