若手社員は転職前提で働くべき
先日、あるメーカーのMRとランチに行っている時に給料やボーナスの話になりました。そのMRは私の目から見ても真面目で、優秀。新製品で全国トップレベルの売り上げを上げている若手MRです。
さぞ多くのボーナスをもらっているのだろうと思って聞いたところ、驚くほど少なかった。聞くところによるとボーナスに関しては成果反映が少なく全国1位になろうがあまり増えないとのこと。
私の会社は成果次第で、大きくボーナスが変動するため衝撃でした。そこで今回はMRの転職について考えていきます。
製薬各社の生涯賃金
まずは各社の生涯賃金を確認しましょう。
会社名 | 生涯賃金 |
第一三共 | 3億9507万1125円 |
アステラス製薬 | 3億8212万2489円 |
武田薬品工業 | 3億8007万5897円 |
大塚ホールディングス | 3億6874万921円 |
エーザイ | 3億6116万4592円 |
中外製薬 | 3億4941万6362円 |
塩野義製薬 | 3億3375万2056円 |
小野薬品工業 | 3億2871万4289円 |
キョーリン製薬ホールディングス | 3億2157万893円 |
大日本住友製薬 | 3億1076万7244円 |
協和発酵キリン | 3億506万399円 |
大正製薬ホールディングス | 3億305万3164円 |
田辺三菱製薬 | 3億151万8219円 |
参天製薬 | 2億9364万6708円 |
持田製薬 | 2億9341万563円 |
科研製薬 | 2億9331万2169円 |
鳥居薬品 | 2億8284万3060円 |
ツムラ | 2億8246万9163円 |
日本新薬 | 2億8239万448円 |
キッセイ薬品工業 | 2億8158万3618円 |
ゼリア新薬工業 | 2億5383万6543円 |
久光製薬 | 2億5369万8791円 |
上位は約4億と下位群と比較して約1.5億のひらきがあります。中位群と比較しても9000万近いひらきがあります。
35年働くとすると上位メーカーは下位メーカーに比べて400万円位毎年多くもらっている計算です。もちろん年齢が高い方が多く貰っているでしょうし、役職でも変わりますので参考値でしかありませんが、少なくとも200から300万円の差が生まれているのではないでしょうか。
当然ですが、1億近い賃金差を出世だけで賄うのは現実的ではありませんし、何より現在はどの会社も役職ポストを減らしています。絶対に社長になれると確信がある人や熱意のある人は問題ありませんが、そういった人ばかりでは有りませんよね❓
もし若いうちに上位の会社に転職することができれば、それだけで生涯賃金1億アップです。正直チャレンジする価値は十二分あります。
前述の通り出世するポストは年々減っていますが、転職は応募自体はなんだかんだ毎年あります。どちらも実力勝負な点は変わりませんが、若くして給与UPの機会に繋がる&席が多いという点で出世よりも転職の方がコスパが良いのは明らかです。
また新入社員のうちから近い将来の転職というゴールを考えることで、早く学ぼうという気概も生まれインプット&アウトプットに差が生まれます。
MRの仕事は各社ほとんど変わらない
MRをしている人でしたらお分かりでしょうが、MRの仕事というのは会社によって大きく変わりません。それよりも支店や担当施設での違い、領域での違いの方が大きいです。さらに言うなら個人レベルで仕事の方法も違いますしね。そのため生涯賃金が上位の会社ではなくてもエリアNo. 1MRは沢山います。
仕事内容が変わらない。まして仕事では勝っている場合もあるのに所属する会社の違いでここまで大きな差が生まれるのです。当然とは言え少々不公平に感じませんか❓
小括
- 会社によっては生涯年収が1億以上違う
- 出世のポストは減っており、出世も難しくなっている
- 転職の応募は継続ある
- 仕事の内容は実は大きく変わらない
小括:出世よりも転職の方が年収の上げ方として現実的。
転職の方法
転職の方法は大きく二つです。
- エリアマネージャーの推薦
- 転職エージェントの活用
エリアマネージャーの推薦
多くの会社が行っていますが、現場のエリアマネージャーの推薦というルートがあります。転職したい会社の営業所長の推薦です。エリアの有力MRや有望な若手に声がかかります。
他社のマネージャー層の目に止まる必要があるため難易度は高いですが、推薦を得られれば相当転職に近づきます。
私の過去の経験では、多くのMRやマネージャーが集まる特約店に真面目に訪問し絶大な指示を得て実績を上げていた女性MRと新発売時に大きくシェアを塗り替え全国トップの実績を残したMRが推薦を受けた事例を直接確認しています。
正直、真面目さと実績を持っていて、何らかの方法で転職の意思を伝えることができれば、応募枠次第で推薦してもらえます。
直接認識してもらうことが難しい場合は、エリアにチームリーダー等の役職つきのMRがいて、さらに懇意にしてるのならば、そのMRにマネージャーに進言して貰うのも良い手かもしれません。
- 確固たる実績がある(可能なら入社3年で大学担当目指すと良い)
- 誠実な行動をとっている
- マネージャーが集まる現場で認識される
- 転職の意思を相手に示す
この辺りに転職への鍵があるので、転職を狙う若手MRは実施してみてください。
転職エージェント
とは言っても他社のマネージャーとのコネクション作りなんてそんな簡単に進まないよ!!という人も多い…というかほとんどそうなんじゃないでしょうか。そういった場合は転職エージェントに頼りましょう。
常に狙いの会社があるとも限りませんので取り敢えず登録してタイミングを見てどんどんチャレンジしていくという方法が良いです。もちろん薬剤師免許を持っているMRの場合はMRをやめ免許を活かした仕事や開業も視野に入れるべきでしょう。
どちらにせよ自己研鑽をし、確かな実績をつみながら、コネクション作りを行いつつ、転職エージェントを利用していくべきでしょう。
終わりに
正直、MRが定年まで同じ会社で働くことが当たり前の時代は近い将来終わるようです。変化に対応できなかったり、望んだ出世の枠が無かったりして会社をさることが普通になります。そしてそれは日本全国で起こるでしょう。
こうなってくると若い時代にどれだけスキルアップして沢山稼ぐかという視点が重要になってきます。期限を自分で設定してスキルアップ&キャリアアップしていく必要があります。
そしてその中には転職をいう選択肢を当然入れるべきです。会社によっては数百万の年収アップに繋がりますし、MRに関しては基本業務内容は変わりません。得られた給与を自己投資に回して更なるスキルアップを目指すべきです。
変化の時代だからこそ、若いMRには自分を磨いてよい道を勝ち取って貰いたいですね。